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「意味」への転換~一度きりの人生を充実させるための考え方~
皆さん、こんにちは。私はOT(作業療法士)の平川と申します。リハビリテーションの専門職として、クライアントとの協働を通じて得た気づきや大切にしたい視点・考え方を共有しています。今回は、私たちの限りある時間(人生)を充実させるために「意味のある時間」の過ごし方についてお話ししたいと思います。
先日、地域の整形外科を訪れる機会がありましたが、待合室で驚くべき光景が広がっていました。早朝の月曜日にも関わらず、長い行列ができていたのです。その中で目についたのは、高齢の方々が多くが電気治療やマッサージを受けている姿でした。一方で、緊急性の高い若者がなかなか順番が回ってこないという状況に驚きました。
治療は重要であり、整形外科での処置や治療は患者さんの健康回復に欠かせませんが、私はOTとして日ごろから「意味のある作業」を重視しています。したがって、整形外科に通うことが待合室にいた全ての皆さんにとって意味のある活動なのか疑問に感じ、もし違うとしたら正直もったいないのではないかと思いました。
「人生は短い。だから、大切なことにだけ時間を使おう。」 – スティーブ・ジョブズ
「(電気治療やマッサージという支援も、保険内で)安くで受けられるから、とりあえず通っている」という声は実際に何回も聴いたことがあります。しかし、皆さん一人一人の限りある時間は、命を削って生きている貴重なものです。なんとなく過ごす時間ではなく、出来ることなら有意義な時間でありたいと思いませんか?
リハビリテーションを受ける(受け身の支援)だけでは、人生に豊かな意味をもたらすことはできないことがほとんどです。私たちは常に「意味」を考えるという発想に転換し、有限な時間を充実させるために見つめ直すことが重要です。
私OTが提案する、質の高い生活を送るためのヒントは、一つは自分が「意志」に注目にすることです。いつかやりたいと思っていてまだ取り組めていないことや、蓋をしていた想いと向き合い、とりあえずそれらに実践してみることです。簡単に言えば、趣味や楽しみを見つけて実践することです。これは簡単そうに思えるのですが、実際はなかなか難しいです。私のクライアントの多くも、改めてしたい事を、趣味を問うても「やりたいことなんてないよ」という方がほとんどです。特に病になると、その気持ちは更に無くなってしまいがちいです。私はOTとして、人々の意欲を引き出し、やりたいという気持ちを実現につなげ、日常生活に取り入れるお手伝いをしていますが、自分の楽しみ、したい事(意志)を知らないという方がほとんどなので焦らないでください。いつか自分の心が動くものが見つかるはずなので、そういったものを探すという視点は持っているといいと思います。ワクワクしたり心が動くと、心を元気になり、なんだか忘れていた子ども心を思い出したかのように若々しくなっていくという場面にOT支援でも遭遇しています。輝いている人や生き生きとしている人は、何か自分の楽しみを持っていることが多いと思います。何歳になっても、そういった好きなことに取り組むことは人生を豊かにするのだと思います。
もう一つは、「何のためにするのか」「本当に何をしたいのか」と自分自身に問う(考える)ことにあります。特にルーティン化された生活活動だったり、無意識に行っている活動では、このような問いを行うことで、もしかしたら生活の見方が変わるかもしれません。特に今回のようにルーティン化された整形外科に通うという活動よりも、家族や友人との時間を大切にしたり、自分の趣味や興味を追求したりすることに対する考え方が変わるかもしれません。また、他人への貢献を追求することも有意義な時間の使い方です。「ありがとう」という言葉は非常に偉大で、自分自身の存在感や認識を感じることができます。私のクライアントのほとんども、最終的に家族や友人との時間、自身の興味関心を深める時間、地域活動やボランティアに参加して他者貢献する時間などを大切にする方が多いです。人とつながり、生きる意味や喜びを共有することも大切だと思います。
このような考え方・捉え方を意識すると、単に体の回復に焦点を当てていた自分から、より広い視野で自分の時間(人生)と向き合う自分がいるはずです。「何のためにするのか」「なぜこのリハビリを頑張るのか」という問いを自身に問いかけることで、より多くの意味のある選択・決断ができると思います。
【まとめ】
有限な時間をより充実させる考え方・5箇条
1. 目標設定と意義の明確化: 自分自身に対して、具体的な目標を設定しましょう。それが何のためになるのか、どのように自分や周囲の人々に意味をもたらすのかを考えます。目標に向かって努力することで、充実感や達成感を得ることができます。
2. ライフバランスの見直し: 自分の時間やエネルギーを適切に分配するために、日常生活のバランスを見直しましょう。仕事やリハビリだけでなく、趣味や休息、人との交流など、自分にとって大切な要素をバランスよく取り入れることが重要です。
3. 新たな挑戦と学び: 自分の興味や関心を追求し、新たなことに挑戦してみましょう。新しいスキルや知識を習得することで、自己成長や自己実現を図ることができます。また、他の人々とのつながりを通じて学び合うことも有意義な時間の使い方です。
4. 感謝と貢献: 自分自身が受けた支援や恩恵に感謝すると同時に、他の人々や社会への貢献を考えましょう。自分の能力や経験を活かして他人を支えたり、地域や社会の活動に参加することで、自己の存在意義を感じることができます。
私たちは皆、一度きりの人生を生きています。自分自身と向き合い、意味のある時間を充実させようと立ち返ることは、決して無駄ではありません。一人でも多くの方が、リハビリを単なる身体の回復手段として捉えるのではなく、自分の生き方や在り方を考え、人生を謳歌できるよう願っています。