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OT(作業療法士)という仕事についてーAI時代に生き残る職業ランキング 第6位ー
皆さん、こんにちは。OTの平川です。今回は世界的に見たOTの位置づけを示すデータを含めて、私の職業についてお話ししたいと思います。
2013年にイギリスのオックスフォード大学で実施された「コンピューター技術が進んでも生き残れる職業」という研究でOT(作業療法士)は702の職種中第6位と報告されました。同研究では医師は15位、看護師は46位、作業療法士と同様にリハビリテーション職である理学療法士は90位でした。リハビリテーション職であるOTがその評価を受ける理由は何でしょうか?
その理由がOTの人間的な資質と創造性にあるとされています。多くの人々が口にする「人間的で創造的」という言葉が、作業療法士の特徴を的確に表しているのです。ですが、これだとちょっと伝わりにくいので、私が考えている魅力があるOTについてお話しします。
さて、私は日々「リハビリテーションとは何か」「OTとは何か」という問いを元に活動中していますが、その中で感銘を受けた一つの言葉があります。それは文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンが残した「複雑なものには命が宿る」という言葉です。
OTの視点・関わりはその言葉が表現するように、大変複雑なもので正直説明しずらいものがあります。私も過去に「作業療法ってなにをするんですか?」「OTってなんですか?」「理学療法(PT)とは何が違うんですか?」と、このような質問は何度も受けてきました。しかし、これといった説明が出来ないことにいつももどかしさがありました。各国の定義を学び、先輩方のアドバイスを聞いてきましたが、正直言ってどれも抽象的で理解しにくいものでした。
ですが、この言葉を知ってからは、確かに私たちOTの視点・関わりは複雑だけど、それは当然なのではないかと思うようになりました。ひとり一人の命(人/人生)において、数値やデータだけで全てを表現できないのは当然。こうしたら、こうなる~というような方程式は存在せず、一人一人違う上にその生きる環境も環境も違うのだから、同じとした結果があるわけがない。OTも人であるため、OTひとり一人によって異なる。私は、だから面白いんだ!と考えるようになりました。
OT関わり・視点には複雑なものがありますが、私的にはOTの考え方は至ってシンプルだと思ってます。
それはOTの目標がいつもその人の健康と幸福につなげることを目指しているからです。そのために、OTはいつも一人ひとりの生き方や想いを理解しようとしています。私はいま現時点OTは「生きる力を引き出す専門職である」と捉えています。
Q.「OTは具体的に何をするの?」という質問があったとすると、
A.「生きる力を引き出す時、その手段や方法は一人一人違うので、これといったものはない」
というのがいまの答えです。
その人次第で、何が元気スイッチの入るポイントであるかは違うため、私はそのきっかけいつもを探しているのです。それが例えば、昔大切にしていた習慣だったり、趣味だったり。やってみたかったことだったり。それらに取り組んだ時の表情や空気感などからその人の反応をアセスメントし、瞬時に、そして柔軟に取り入れて働きかけるのがOTの関わりです。
一口に人の心を動かす、元気にするといいますが、これは本当に容易なことではありません。しかし、この地道な関わりによって、目の前の方が「できた!」とか「よかった!」「楽しかった!」と笑顔や反応を見たときには、本人以上に喜びを感じます。このような素敵な瞬間を共感できるOT職業に私はいつも誇りを持っています。
今回は日本ではまだ認知度が低いOTという職業についてお話ししました。このブログをきっかけに興味を持つ人がいたり、もし将来OTになりたいと思う人がいたらとっても嬉しいです。
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