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OT思考「出来ないことではなく、出来ること」をみて!ー祖母のエピソードー
今回は、祖母のエピソードをもとにOTのアドバイスから得た教訓や考え方、その視点を皆さんに共有したいと思います。
祖母の生活を垣間見ながら、似たような状況に遭遇した時の参考になれば幸いです。
祖母(90歳)は自宅で一人暮らし、料理と掃除が得意です。
祖母は施設に入りたくない、自宅で暮らしたいという強い意志を持っています。
日課として「毎日三回仏壇にお茶をあげること」
娘たちが休日の日は家事や食事、入浴などをサポートしたり、お墓参りや温泉、地域のイベントなどを楽しむことでつながっています。
しかし、高齢でかつ最近認知機能も低下している状況であるため、今後一人暮らしに対する不安が聞かれています。
「じっとしていてよ」は逆効果?!
そんなある日、娘たちが祖母宅を訪ねると、庭で草取りをしている祖母を見つけました。
炎天下だったということもあり心配から「もう歳なんだから」「なんで動くの」「じっとしていてよ」と声をかけ、作業は中断されました。
その後、私は祖母との電話話の中でこのエピソードを聞きましたが、続けて「(娘たちが)何でも全部手伝ってくれるから、助かるんだけどね」と話す祖母には、どこか元気のない様子を感じました。
OTに学ぶ「出来ること」を見つける視点
この状況についてOT平川に相談すると、
「作業が周縁化しているね。まだ出来ることを知らず知らずのうちに制限されることは良くある」
「OTは“出来ることを見つけたり”、“出来なかったことを、出来るようにする”ことで人を元気にしている」
「きっと家族は優しさで、良かれと思ってそう言ってしまうのだろうけど、「じっとしていてよ」などの言葉は実は逆効果!になる場合もある」
というアドバイスをもらいました。
祖母の巾着作りがもたらした効果とは?
学んだOTのアドバイスをもとに、私は祖母が昔好きだと話していた「着物や洋服を作ること」を思い出し、私に“巾着を作って欲しい”とお願いしました。
母曰く、祖母は何か思い出したように夢中で巾着を作っていたそうです。
届いた巾着プレゼントに感謝を伝えると、本当に嬉しそうで元気そうな声がありました。
その後、祖母自ら他の孫たちにも作ってプレゼントしたそうです。
ちょっとだけ視点を変えたこの出来事は、祖母の「できること」を見つけられただけでなく、祖母が認められたり、「ありがとう」と言われたりと、様々な方面で良いきっかけになっていることに気づきました。
「出来ないことではなく、出来ることを見る」という視点は、明日から取り入れられるOT思考です。
全て制限するのではなく、出来ることを少し見守ってあげたり、一緒にしたりするという余裕も大切な関わりだと思いました。
ー専門職のサポートー
家族間の話し合いにOTのプロ視点を取り入れて
また、祖母のように高齢であっても最期までなるべく「自宅で暮らしたい」という方は多いと思います。
ですが、なかなか家族間では今後の暮らしについて話し合うことは難しい場合も多いでしょう。
私はこのような時にも、OTというプロの視点は入れてみることをお勧めします。
OTは、本人の想い、そしてご家族の想いも聴きながら、どのような道が最適かを一緒に考えます。
そして、何より本人の意志を大切にして、後悔のない人生へつながるようサポートしてくれます。
皆さんの大切な人の健康と幸福を真剣に考え、より良い生活へつなげるOTにぜひご相談してみてください。