10の技術
LILYSでは、以下の「10の技術」を用いて、作業療法士がリハビリテーションを行います。
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1
適応Adapt
クライアントが求めている状況や目的に応じて、分析・問題点の原因追及を行い、様々な角度から解決することを指します。適応には、やり方を変えたり、道具を使ったり、取り囲む環境を変えたりすることも含みます。
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2
代弁Advocate
クライアントとともに、もしくはクライアントに代わって、できることを示したり、意見を述べたり説明したり、重要な意思決定者に働きかけをしたり、別の選択肢を提示したりして、できないでいる状況を打破しようとする技術のことです。したいことをしようとするとき、周囲の人々や社会制度などから、様々な懸念を示されたり、制限を加えられたりすることがあるため、必要な技術の一つです。
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3
コーチCoach
話をよく聴き、お互いの信頼に根ざしたパートナーシップ(対等な協力関係)を築く技術のことです。その人の強みを基盤として、適切に強みを称賛し、指導し、助言し、クライアント自身が自分の長所や自分が使える様々なサービスや人材に気づき、優先順位を考え、新たな挑戦を試みられるようにする技術のことでもあります。
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4
協働Collaborate
共通の目標に向かって、お互いを尊重し、信頼関係を継続しながら創造的な交流を行い、お互いの能力と才能を用いて一緒に取り組む技術のことです。
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5
相談Consult
意見交換を行い、新しい気づきとなる情報を得たり、方向性を吟味するための新たな視点を得たり、提案したり、してもらったり、助言したりする技術のことです。クライアントのお困りごとに対して、私たちだけでなく、関わりがある人達にも相談に乗ってもらい、打開策を見つけていくことも多いです。相談に乗ることも、乗ってもらうことにも技術が必要です。
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6
調整Coordinate
クライアントが思い描いていることをうまくできるように、その目的の全体を見渡し、周囲の人と意見の違いがでないように文書を作成したり、計画したり、課題を整理したり、必要な情報を収集し多様な意見を調整してまとめ・つなげる技術のことです。
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7
デザイン・実行Design/Bulid
求めていることやお困りごとができるように、クライアント専用の道具や機器を考案し、作成・実施する技術のことです。その人に合わせてすでにあるものや機器に再加工を施したりもします。クライアントが作業しやすいように環境を整えたり、グループに合わせた健康を促進するプログラムを計画し、実施する中で再考案したりします。
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8
教育Educate
クライアントができるようになりたいこと、お困りごとに関しての分析をし、クライアントの特徴と状況に合わせて、情報の提供の仕方や見本の見せ方、説明の仕方、段階付け、選択肢の選定と提供のタイミング、練習回数などを決めていきます。実際にやってみて、行動して、行ってみることで、様々な実践的なやり方を獲得していきます。またこれからの教育の技術はクライアントだけでなく、クライアントに取り巻く周囲の人にも使われる重要な技術とされています。
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9
結び付けEngage
クライアントが行うこと、参加することに関与するようにする。つまり話すだけを卒業し、没頭するように他社や自身を巻き込み行動すること。
or
私たちの目標は、クライアントの人生にとって大切な作業ができるようになり、作業にしっかりと結びつくことです。つまり、クライアントがしたい、する必要があると思うときに生活の中で行えることを目指します。たとえ、その人が自分一人でもできなくても、その作業をしていることに意味を持ち、それを通して自分がそこにいる価値や自分の成長、楽しみを感じられるといった形で結びつくことを目標にしています。例えば、クライアントと他の人との信頼関係を構築する支援をしたり、クライアントが好ましいと思う方法でできるように工夫したり、その作業にふさわしい環境や状況を整えたり、その作業を行うことで家族やグループでの役割を担えるように調整や提案をしたりします。これらをうまくで行えることは、結び付けの技術の高さを示します。 -
10
特殊化Specialize
クライアントの求めていること、お困りごとを解決するために、できない原因の一つ、または一部に焦点をあて、その原因を取り除くために特殊な技法を用いる技術のことです。例えば、硬い筋肉をやわらげる手技や、ある特定の関節の痛みを取る手技、手足の麻痺を回復させる手技、ある特定の認識を強化することで脳の働きの回復を促進する技法、リラクゼーションテクニックなどがこれにあたります。