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「作業療法はアートだ!」ー作業療法士(OT)が贈るリハビリテーションー

皆さん、こんにちは。私はOTの平川と申します。本日はOT(作業療法士)の魅力ある生業についてお話ししたいと思います。

 

早速ですが、「作業療法士(OT)って何するの?」これはよく聞かれる質問です。

 

私も初めて聞いた時、”作業”って手作業?か何かする仕事なのだろうかなと思いました。私も臨床実習の現場を見て初めてイメージができました。作業療法学科に入学した私が、初めて作業療法士っていいなと魅せられた実習地でのエピソードを皆さんに一つご紹介して、OT(作業療法士)の魅力ある生業をお伝えしたいと思います。

 

 

その時担当したクライアントは、余命宣告された70歳代、女性でした。この度骨折が原因で入院をしていたクライアントは、最期を家で過ごすべく自宅退院が目標として挙げられていました。私は実習生として、様々な職種がこのクライアントに対してどのような視点で介入するかを見学します。

 

 

理学療法士(PT)の関わりを見学して

まず理学療法士は、トイレ動作を行う介助するご家族の負担軽減という目標を立て、介入しているという情報を聞きました。

 

理学療法士と共に女性の自室に向かうと、クライアントの表情がなぜだかみるみる曇っていきます。そして声掛けをしても微動にしません。なんとか看護師の力を借りて向かった先はなぜか平行棒前でしたが、クライアントは一切動こうとはしません。ずっと理学療法士は一生懸命笑顔で話しかけましたが、全く反応がありません。結局、何もできずこの時間が終わってしまいました。理学療法士は「なかなか難しいんだ・・・」と話していました。

 

作業療法士(OT)の関わりを見学して

 
一方で、作業療法士は、最期まで自宅で落ち着いて過ごすという目標を挙げていました。作業療法士がクライアントの自室に向かうと、今度はぱっと明るい笑顔になるのです。先ほどとは一変、作業療法士と楽しそうに話をするクライアントの姿に私はとてもびっくりしました。また、作業療法士は「どのように生き切りたいですか?」と今後の生き方についても尋ねており、このような話ができる関係性であることにも驚かされました。

 

途中、先が長くないことの不安からか涙され、作業療法士がベッドで寄り添う場面もありましたが、このクライアントの想いを治療プログラムに取り込む。そして、余命が宣告されているクライアントとそのご家族が喜んでくれたり、安堵できる時間が作るためのプログラムを考えており、作業療法士ってこんな支援ができるのかと感動したのを今でも覚えています。

 

作業療法士のプログラムには、クライアントとの雑談にあった「家族に感謝を伝えたいという」言葉を拾い、入院期間中で”大切な人に手紙を書く”ということを提案しました。実際にクライアントの想いを作業療法士が代筆し、クライアントはその手紙に好きな色の絵具を使って手型のスタンプを押しましたが、そのスタンプを押したこの方にとっての大切な作業を一緒に行ったことも大変記憶に残っています。

 

「作業療法はアートだ!」

このようなOTの関わりを見て、私も今日まで皆さんに喜んでもらえたり、感動してもらえるような関わりを目指してきました。当時大学教授がよく「作業療法はアートだ!」と言っていましたが、いまその意味が良く分かる気がします。PTのように体を治す、良くするというような目に見えるかっこいい成果はつくれないですが、OTはクライアントの身体機能や状況よりももっと大事な、それ以上の大切な何かに気づきをもたらすことができます。クライアントの生活や人生に意味をもたらすような関わりはまさにアートのようで、OTである私たちはこの人生というキャンバスに一緒に描いていく、色づけていくというような関わりがあります。

 

 

冒頭にある「作業療法士(OT)ってなにををするの?」という質問に対して、これという一言で言える答えはまだ私の中にもないのが正直な回答なのですが、このようなエピソードで何かOTの生業を感じていただけたら幸いです。

 

そして私はいまOTの支援を応用して、保険内ではできないその先の支援にも挑戦しています。これは保険内の支援には制限が多く付きまとうのですが、これはできない、あれはできないという中では、私個人的にOTとして最大限の支援はできないと感じてきました。これが、もっと自由に、もっとその先の支援を可能にできるのならば、きっと人生をアートするお手伝いができると信じています。私は一人でも多くの方が人生を謳歌できるようにすることをテーマに、OTとしての技術と経験を活かし、全力でお手伝いしたいと思っています。

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