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進行性の病ALSを抱える男性「ロケットへの夢」とOTの支援ー機能から意味へー

皆さん、こんにちは。OT(作業療法士)の平川です。

今回は、進行性の病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)を抱えるクライアントとの関わりを通じて、OTの視点から気づきを共有したいと思います。

 

 

私が訪問リハビリで担当したクライアントは、70代の男性で、ALSの症状により一週間ごとに生活が変化していました。

ヘルパーによる全介助支援のもと、ベッド上で過ごしていました。

 

 

最初の頃は、ALSの診断を受けたにもかかわらず、クライアントはあまり落ち込む様子は見せず、「ちょっと手が上手く使えないんだよね」と普通に話していました。

そこで、歩行や日常生活動作の支援に取り組み始めましたが、進行性の病気のため、クライアントの状態は急速に変化していきました。

 

 

クライアントがますます落ち込むようになり、日々の生活に対する自己否定感が増していました。

そんな状況を踏まえ、私は従来のアプローチから対話(ナラティブアプローチ)へと視点を変えて関わり始めました。

対話を通じてクライアントの自己認識が変わることを期待しました。

 

 

対話はこれまでも行ってきたことですが、自然な対話で得られる情報は、クライアントの生きる力を引き出す武器となります。

クライアントを多角的に理解し、心に動きを起こすきっかけを提供するためです。

私たちはその情報を基に、クライアントの生活を豊かにし、日常に取り入れる活動や参加を促すよう努めます。

 

 

具体的な取り組みとして、クライアントが昔から良く行っていた近所の床屋やコーヒーショップへ、PTと協力して実践につなげました。

ルーチン化した介護される生活の中で、自ら行動する意欲を取り戻すきっかけを提供したのです。

初めは意欲が見られませんでしたが、徐々に前向きな気持ちが芽生え、笑顔も戻ってきました。

さらに、ヘルパーさんとも一緒に行動することを提案し、実際に実現しました。

 

 

クライアントとはまた別の日には、ロケットの話をしました。

かつてクライアントはロケットを見に行く夢を抱いていましたが、叶えることができませんでした。

それでも夢を語り続けていたクライアントに私は、自らロケットになりきって彼に魅せることを決めました。

iPadを持ち、映像を見せながら「ドカーン」と言って夢を再現しました。

私にとってはその時できた最大限の関わりでしたが、私の姿に大笑いして喜んでくれたこの日のことはずっと心に残っています。

 

 

リリーズは機能回復だけでなく、人生に意味をもたらす支援を行います。

進行性の病や原因不明の病、余命宣告された方であっても、最適な生き方へと導くことができます。

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