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長年の夢「ワインの栓抜きができました」

 本日は、ある方が長年の夢であった「ワインを開けて、妻や家族にワインを注ぐ」ことが、ついに達成いたしました。ワインを開けるには、まず①ワインの蓋を切る、②ワインのコルクを抜く必要がある。そして注ぐことが必要です。当初は、痙性や共同運動の影響から、右手を使うと左手をコントロールできない。つまり、ワインボトルを押さえる左手は、右手を動かすと強制的に左手が開いてしまい、把持できないという状況でした。また、右手ではボトルオープナーを把持できなかったため、コルクを指す、ワインオープナーを捻じるというのは夢のまた夢といった状況でした。

 このような課題に対して、普段から両手動作を取り入れることをプログラムの中にも導入しました。昔から料理教室に行くほど料理好きで、美味しいものを食べるのが趣味である方でしたので、こういった情報から趣味趣向に合うもの、そしてちゃんとご本人の意思が伴う作業を提供しました。実践する中にも複合的な課題がありましたが、様々な過程を経て少しずつ運動学習・適応がみられ、今回実際に夢が実現につながりました。

 やはりできたから今までにない、いい表情をしていましたし、達成感を感じたようでした。奥さまも一緒に喜んでくれて、そのいい表情を写真に収めていました。「病院のリハビリで積木並べだけじゃよくならないかったと思う」「決まりきった手の練習じゃ、ここまでこれなかったと思う、ありがとう」という、ご本人の言葉は私自身も感動があり、手探りの中にもできると信じ続けて介入した、その結果が小さな幸せにつながりとても嬉しかったです。これが作業療法士の効果だと思います。

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